AIDMA(アイドマ)とは、1920年代アメリカ人サミュエル・ローランド・ホール(販売・広告の実務書の著者)が、著書の中で示した広告に対する消費者の心理プロセスです。
AIDMAは、Attention(注意)→Interest(興味)→Desire(欲求)→Memory(記憶)→Action(行動)の頭文字を取ったものです。
これは、マズローの法則よりもさらに具体的に消費者行動を説明したもので、“消費者が物を買う”までの流れを示しています。
このAIDMAは、販売促進や接客技術の各分野において利用されています。
⇒マズローの法則(マズロー欲求五段階説)と「顧客ニーズ」の関係
AIDMAモデル(AIDMAの法則)
AIDMAモデルは、消費者の視点から見たものになっています。マーケティング戦略を立てる上でも、消費者の「認知段階」「感情段階」「行動段階」それぞれに対した効果的な販促・コミュニケーション手段を検討する必要があります。
注目(Attention)
「注目」は、文字通り消費者に認知してもらう段階です。
テレビDMや雑誌・新聞など、消費者が目にする耳にする場所に宣伝をしていきます。
この段階では、消費者はその商品に興味をもっていません。
ただ、なんども見聞きするうちに商品を認知していきます。
例:新商品の「新しいビール」の場合(以下同じ例を使います。)
テレビCM等をみて、「あそこの会社、新しいビールだしたんね~」と認知します。
興味(Interest)
消費者に、商品に対して興味を持たせる段階です。
その商品の特徴やアピールポイントを出して宣伝をします。従来品との違いを大きく出します。
例:「おや!この新しいビール、プリン体0だけじゃなくて、~~な効果があるのか!!」
「おや!この新しいビール、このタレントさんの好物なのか!!」
欲求(Desire)
消費者に、その商品に対する購買意欲を抱かせます。
その商品を買いたいという欲求を高めるために、その商品を購入することによって生まれるメリットを宣伝します。
例:「お!!このビール、飲むと~~が働いて体にいいのか!!」
「お!このビール、旨さ倍増か!!」
記憶(Memory)
商品名や価格など、購入のための情報を記憶し検討に入ります。
この段階では、「欲しい」VS「本当に買うべきか」の戦いが起こっています。
記憶段階から購買に傾けさせるために、購買を正当化できる情報を多く消費者に提供します。
例:「~~ビール!発売から1週間で売上本数100万本突破!!」
行動(Action)
ここにきて初めて消費者は購入に踏み切ります。
ただ、消費者が実際に購入し終わるまで安心してはいけません。
消費者がもつ「購入できない理由」を潰します。
例:「このビール買いにいこう!」「え!!近くで売ってないの!!!!」
(近くにうってないなら買うのやめようかな)
「あ!ネット販売もあるやん。やっぱり買おう!!」
(こうして、ビールは購入されました。)
まとめ
AIDMAモデルは、消費者の購買までの心理プロセスです。マーケティングにおいて、各段階の消費者の心理に対応したアプローチを立案し実行することが大切です。
ただ現在では、消費者が接する情報源(一昔まえは、テレビCMなどのマス・メディア等)が多岐にわたっているため、それらも考慮する必要があります。特に、スマートフォンやタブレットが急速に普及した現在、インターネット(SNS含む)での対応が急務になっています。インターネット上に掲載する動画広告(マス・広告と違い、費用の面でも手軽に作成できる)の需要もますます高まっています。
2004年には、電通がAISAS(アイサス)というインターネットによる購買行動について提唱しています。AISASも実は最近では古いといわれていて、現時点(2016年)では「DUAL-AISAS」が提唱されています。
⇒DUAL-AISASとは何?