延命治療とは
疾病を“治す”ではなく、延命を目的として行なわれる治療のことです。回復の見込みがない患者さんに対し、人工呼吸や輸液、輸血、昇圧剤投与による心肺機能の維持等をおこなうことにより延命を図ることを目的としています。
医療技術の進歩により、意識が無い患者さんに対しても、“生命だけを維持”することが可能であるが、「終末期」の明確な定義はなく「いつまでが救命で、いつからが延命か」という線引きが難しい。また、QOL(クオリティ・オブ・ライフ)や尊厳死の観点から延命治療を見直す議論が起こっています。
⇒尊厳死と安楽死の違いって何?
厚生労働省の調査では、延命治療を希望しない37%・どちらかというと希望しない34%を合わせて延命治療を希望しないは約70%にたっしている。ただ、延命治療を希望する方も11%にのぼっています。意識が無く人工呼吸器をつけてでも、生き続けたいと願う患者さんもいるということです。
それぞれの価値観・考え方です。どちらが良い悪いではなく、どちらも尊重されなければなりません。
延命治療の種類
・人工呼吸器
延命治療ときくと、まずは人工呼吸器をイメージされたと思います。
呼吸が出来ない状態になっても、人工呼吸器をつけることで呼吸が可能になります。
人工呼吸器と合わせて、状態に応じてその他の方法が併用されます。
・経腸(けいちょう)栄養法
口から栄養摂取が出来ない場合、経腸栄養法がとられます。
まずは、鼻から細い管を入れそこから栄養剤等を流し込みます。また胃に人為的に小さな穴をあけて、そこから栄養剤等を流し込むやり方もあります。
栄養剤といしては、エレンタール・エンシュアリキッド等様々なものがあります。
・静脈栄養法(末梢静脈・中心静脈)
点滴です。輸液から栄養を体内に取り込みます。
通常は腕などの末梢静脈に点滴を行ないますが、点滴をする期間が長くなる場合中心静脈(鎖骨の下・首等)からCV(中心静脈カテーテル)を挿入してそこから高カロリー輸液を入れます。IVHといわれるものです。
わたしもIVHを数回したことがありますが、末梢静脈からの点滴よりもすっごく楽でした。腕などの場合、すぐに静脈炎をおこしてしまい針の刺し換えが必要になってしまっていたのですが、IVHは全く問題ありませんでした。(IVHに切り替わるくらい長期に入院していたということですが…)
まとめ
延命治療方法も多岐にわたっています。そしてそのほとんどが併用して活用されていると思います。
患者さんの状態によって採用される方法も違ってきます。
延命治療は、精神的にもまた経済的にも大きな負担になります。機会をみてゆっくりとそしてしっかりとご家族と話し合うことが必要と思います。