医療技術の進歩により、治る見込みのない末期の状態においても延命することが出来るようになりました。1秒でも長く延命を望む方、治る見込みもなく意識もないなら延命をして欲しくないと望む方、それぞれの考え方があります。

尊厳死宣言書(リビングウィル)が話題になっている昨今、延命治療における医療費についてみていきます。

 ・一般的にかかる延命治療の費用は

 患者さんの状態や、その疾患にもよりますが、保険適用外のもの「差額ベット代」「寝具代」「食事代(経管栄養代含む)」は高額療養費対象外にもなるので全額自己負担になります。

・差額ベット代(2014年全国平均)日額5,918 円×30日で177,540円

・食事代1食360円×3回で、1,080円×30日で32,400円(栄養剤について、食事代いふくまれるもの医療費にふくまれるもの等複数ある模様)

※食事代については、平成30年4月1日より1食460円に変わります

医療費については、国が定める高額医療費制度によって所得区分によって違いがあるが8万~20万円。(生活保護受給者の場合は全額免除)

 ケースにより異なりますが、簡単な計算によると一ヶ月約8万円(差額ベット代・食事代無しの場合)~約41万円かかることになります。

 この額は、あくまでおおよその数値です。病院のご担当者さんや保険組合・市町村の保険担当に改めてご確認ください。

 

・高額療養費とは

同一月(1日から月末まで)にかかった医療費の自己負担額が高額になった場合、自己負担限度額を超えた分が後払いで払い戻される制度のことです。

医療費が高額になることが事前に分かっている70歳未満の方に関しては、「限度額適用認定証」を提示する方法もあります。(70歳以上の方は、限度額適用認定証の手続きをしなくても自動的に窓口での支払いが自己負担限度額までになります。ただ所得区分が低所得者の場合「限度額適用認定・標準負担額認定証」が必要になるので注意)

高額療養費制度負担の上限額は、年齢や所得によってことなります。

最終的な自己負担額となる毎月の「負担上限額」は加入者が70歳以上かどうか、加入者の所得水準によって分けられます。(70歳以上の方は、外来だけの上限額も設けられています)

 

まとめ

延命治療のみならず、長期入院に関しては多くの費用がかかります。わたしも調べてみて初めて知ったのですが、高額医療費についても年齢や所得区分に応じて違いがあるとともに、保険適用外の費用が膨大になります。

国の医療費負担も極めて大きくなっている昨今、医療費の引き締め等で自己負担額が変わる可能性も大きくあります。普段からの情報収集が極めて大事だと感じています。

 「終活」って何をするの?その3 延命治療の意思表示 

 ⇒具体的な延命治療方法

 

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